αオリゴ糖は何からできるの?
αオリゴ糖は、とうもろこしのでんぷんからつくられます。酵素のちからでとうもろこしのでんぷんを分解し6個のブドウ糖を環にしたものがスーパー食物繊維“αオリゴ糖”です。
オリゴ糖ってどんなもの?
単糖が2個から10個程度結びついたもので、少糖類とも言われています。
ただし明確な定義はなく、ショ糖・麦芽糖・乳糖などの二糖類も本来はオリゴ糖の仲間といえますが、一般的には3つ以上の糖が結びついたものをオリゴ糖と呼んでいる場合が多いようです。
食物繊維ってどんなもの?
私たちのエネルギーのもととなる3大栄養素の1つである炭水化物のうち、消化酵素で分解することができないものを、「食物繊維」といいます。
食物繊維はサツマイモ、キャベツ、ごぼう、などの野菜やわかめなどの海藻にふくまれています。
善玉菌のエサとなり腸を整える水に溶けやすい食物繊維(水溶性食物繊維)や、便のかさを増やして出しやすくする、水に溶けにくい食物繊維(不溶性食物繊維)があります。
そのほかにも糖質や脂質の吸収をおさえ血糖値の上昇を抑えたり、血液中のコレステロール濃度の低くくするなどのはたらきをもつ食物繊維もあります。
3大栄養素を分解するための消化酵素たち
3大栄養素は、私たちのからだの中で“アミラーゼ”、“ペプシン”、“リパーゼ”、という3つの消化酵素のちからで分解され、エネルギーやからだづくりのもとになります。“アミラーゼ”は、炭水化物をブドウ糖に分解するはたらき、 “ペプシン”はタンパク質をアミノ酸に分解するはたらき、 “リパーゼ”は脂質を脂肪酸とリパーゼに分解するはたらきがあります。
食物繊維はどのように分解されるの?
食物繊維は、消化酵素で分解されずに便と一緒に体の外に排泄されるか、または大腸にすむ善玉菌のエサになり分解されます。
腸内細菌と健康
腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。
αオリゴ糖はどうして“スーパー食物繊維”なの?
他の食物繊維にはないはたらきや、すぐれたはたらきがあるためです。例えば、他の食物繊維ではごはんやパンなどの糖質を食べた後、血糖値が高くなることをおさえるはたらきをもつものもあります。しかし、αオリゴ糖は糖質だけでなく甘い食べ物に含まれる砂糖を食べた後にも血糖値が高くなることをおさえるはたらきがあることがしられています。*1
*1 参考文献:J.D.Buckley, et al., Annals of Nutrition & Metabolism, 50,108-114 (2006)、第33回日本臨床栄養学会総会・第32回日本臨床栄養協会総会・第9回大連合大会講演要旨集, 124 (2011).
血糖値(けっとうち)
血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。食事中の炭水化物などが消化吸収されブドウ糖となり血液に入ります。このため血糖値は健康な人でも食前と食後で変化します。通常であれば食前の値は約70~100mg/dlの範囲です。
良い脂(あぶら)と悪い脂(あぶら)を選ぶ?
スゴイ!αオリゴ糖
3大栄養素の1つである脂質には、体のエネルギーになりやすい良い脂とエネルギーになりにくい悪い脂にわけられます。他の食物繊維は良い脂と悪い脂を選ぶことができないので、体に良い植物や魚由来の脂質も外に出してしまうことがあります。しかし、αオリゴ糖には、動物由来の脂質に多く含まれる体に悪い脂を積極的につかまえ、体の外に出すはたらきがあります。
大腸でも大活躍?
まだまだスゴイ!αオリゴ糖
αオリゴ糖は、オリゴ糖でありながら消化されずに大腸まで運ばれます。そして大腸に住んでいる善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やしたり、善玉菌がすみやすい環境をつくることとができるのです。他の食物繊維もおなじようなはたらきをもつものもありますが、実はαオリゴ糖を食べる方が元気になる菌たちもいます。
αオリゴ糖を食べる方が元気になる菌たちって?
ヨーグルトなどでおなじみの乳酸菌や最近注目されている酪酸菌とよばれる善玉菌たちです。これらの菌はαオリゴ糖を食べると、私たちの健康に役立つ“酢酸(さくさん)”、“乳酸(にゅうさん)”、“酪酸(らくさん)”を他の食物繊維やオリゴ糖よりもたくさんつくることがわかりました。
乳酸菌もαオリゴ糖を食べて元気に!ビフィズス菌も増える!
αオリゴ糖って本当にスーパー!
たくさん食べてもいいの?
食物繊維の一日あたりの「目標量」(生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量)は、18~64歳の男性は21g以上、女性は18g以上となっていますが、最近の報告によれば、食物繊維の平均摂取量は一日あたり14g前後と推定されています*。
栄養バランスの良い食事とともにαオリゴ糖を積極的にたべてほしいのですが、食べすぎには注意が必要です。他の食物繊維とおなじく一度にたくさん食べるとおなかがゆるくなることがあります。
*参考
厚生労働省e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」